【デトロイト観光】子連れデトロイト美術館レポ・ゴッホやスーラも

子連れで行きづらい観光スポットといえば美術館。特に小さい子供は、訳も分からず貴重な作品に触りに行くので、親が目を光らせなくてはいけないし、うちの場合は旦那さんもまた美術に興味なし。できれば一人で行きたかったのですが、デトロイトに行くのって緊張するのです。デトロイトも回復しつつあるとはいえ、未だ窓ガラスが全部割れて燃やされた跡があるボロボロの家が立ち並ぶゴーストタウンは放置されたまま。そしてデトロイトって、マンホールから謎の蒸気が出ていて怖いのです。また、このデトロイト美術館のあるミッドタウンのエリアのすぐ近くにちょっと危険なエリアがあると聞き、一人で行くには怖かったのです。ということで、今回は家族でデトロイト美術館に出かけました。これが意外にも子供にも優しい美術館だったので紹介したいと思います。

 
Nokko
大学時代に美術史の授業を取ったのですが、それがものすごく面白い授業だったおかげで美術館鑑賞が好きになりました。一緒に受けていた友達は学芸員になって美術館勤務していたほどです。

【デトロイト観光・子連れデトロイト美術館】のレポート

今回のメンバーと時期

メンバー:親2人と子供3人(7 才、4 才、2才6か月)の5人
行った時期:クリスマスの次の日。子供が冬休み中 

デトロイト美術館の基本情報・駐車場について

Detroit Institute Of Arts (DIA)
5200 Woodward Avenue,Detroit,Michigan 48202
313-833-7900

営業時間:月曜日定休日、火曜-木曜9am-4pm時、金曜 9am-10pm、土曜と日曜 10am-5pm
入場料 Macomb,Oakland,Wayne countiesの住人は無料。普通の大人14ドル、子供(6-17)6ドル、5歳以下無料
駐車場 7ドル

グーグルマップで見たら営業していると出ていたので、クリスマスイブに行ったてみたらお休みでした。(旦那さんの無言の怒りが伝わってきて恐ろしかったです。)グーグルマップを信用しすぎてはだめですね。ちゃんとホームページなどで調べたら良かったです。そこで、クリスマスの次の日に出直しました 。朝11時頃に到着すると、意外にも駐車場がけっこう混んでいました。私たちのもう少しあとだと一番近い駐車場は見つけるのに苦労したかも。美術館前の駐車場の先にも別の駐車場があったので、目の前がいっぱいだったらそちらに停めるのも可能だと思います。この規模の美術館ではリーズナブルな入場料もありがたいです。

子連れデトロイト美術館、個人によかった見どころ

子連れ美術館を成功させる秘訣は、いかに効率よく自分の見たいもののエリアに子供たちを誘導できるかに掛かっています。特に小さい子連れは、自分の中で優先順位をつけてその間にある作品を眺めつつ一時間半くらいで回らないと、子供たちの限界がやってきて絵どころの状況ではなくなってしまいます。ただ今回のデトロイト美術館では、いきなり子供が階段を上っていったので2階から見ることになりました。子供がお腹が空いたといいだしごね始めたので結局3階には行けず、1階と2階のみのレポートです。

Level2のGreat hall

両横にケースに入った甲冑があり、子供が食いついていました。このクリアケースで覆われていることが小さい子供がいる家にはとても楽なのです。
再び通ったら、謎のお茶会が開かれていました。

Level2のAmericanのエリア

教会をそのまま移築したような展示。階段や壁にも昔の建物から移設したものがあり素敵な空間です

Level2のRivera court

メキシコの画家ディエゴ・リベラ(Diego Rivera)の27枚のパネルから成る壁画(murals)1932-33のたった8か月で完成させたらしい。フォードモーターカンパニーの産業を描いたもの。この方、フリーダカーロの夫でもあり彼女の作品でもたくさん出てきます。フリーダカーロの妹とも不倫したりひどい夫な部分もありますが、すごくエネルギーに溢れた方だったのが伝わってきます。一度離婚しまた再婚。この人の近くにいたことでフリーダカーロの人生が波乱万丈で、作品に多大な影響を与えたのですね。この作品を描いた時も、このデトロイトでフリーダカーロと一年ほど滞在しています。

Level2のModernエリア

ゴッホ、セザンヌ、モネなど有名どころはここのエリアにありました。

ゴッホの中では明るめな肖像画。耳を切る1年位前。アメリカの美術館に初めてやってきたゴッホの作品がこれらしい。
ゴッホが何枚も書いているこの青い服で髭のJoseph Roulinさん。これも明るいゴッホの作品
ちょうどPieter Bruegel(ブリューゲル父のほう)のThe Wedding Dance(1566)が修復が終わったところで、ちょうど修復の過程を紹介した特別展示をやっていました。ブリューゲル家は父やら長男やら次男やら出てきてややこしいです。長男のブリューゲルだけは絵が怖いのですぐわかりますが。
スーラもありました。
グランド・ジャット島の日曜日の午後の油彩下絵も発見。最初はすごくシンプル!
これはシカゴ美術館に行った時撮ったもの。同じくグランド・ジャット島の日曜日の午後の油彩下絵。
これもシカゴ美術館に行った時撮ったもので、これが本物のグランド・ジャット島の日曜日の午後。下絵からもけっこう変わっているのがわかります。これを1枚描くのに2年!この忍耐力。
スーラのシャユ踊りの下絵もありました。

Level1のEgiptianエリア

子供に「マミーがいるかもよ~」と言ったら行きたいというのでエジプトエリアに。本当にマミーがあったのを見ると怖がって一瞬で退散。

Level2 Contemporaryエリア

旦那さんが横でこんなのがアートなんておかしいとか、ぶつぶつ言うのを適当に聞き流しながら進みます。

作者のお姉さんが作品を制作しているところも公開しています。
アンディウォーホルの自画像も

Level1 Asianエリア

たまたま寄ったアジアエリア。ここの日本のコーナーがすごく興味深かったです。日本が推したい文化なのか、アメリカが求める日本がこれなのか、コーナー自体小さいのに、なぜこのチョイスか気になるものがたくさんありました。

画面上の和室でお茶体験
お茶を淹れはじめたよ
渋谷のスクランブル交差点に、兜
能のお面に、能の紹介ビデオ(しかも内容は、男に裏切られた女が鬼に代わるという万国共通ストーリーをチョイス!)
仏教と沢庵宗彭(たくあんそうほう)の像。禅が割と知られているからのチョイスなのか。謎。この沢庵宗彭さん、安土桃山から江戸時代前期にかけての臨済宗の僧で、流罪になったりいろいろあったのち最後は家光の近侍となった人らしい。
書画・詩文に通じ、茶の湯も親しんだらしいけど、私があまりよく知らない方が日本代表として美術館に鎮座していたので興味が沸きました。昔はそんなに出てきた覚えがないのですが、実は今学生の方は千利休と同じくらい知っていたりするの??

最後はカフェでランチ。お値段もリーズナブルで使えました。

最後に美術館の中のCafeDIAというカフェでランチを食べました。量り売りのサラダバイキングや、各ブースでピザ、ハンバーガー、サンドイッチなど好きなものを頼み、飲み物などは自分で取って最後にお会計というタイプ。これがハンバーガーなど普通に美味しくて値段も美術館の中の割には普通のお値段で、テーブル・イスもたくさんあって良かったです。

 
Nokko
ここの美術館、スタッフさんもとても子供にフレンドリーで、私が迷っていると何を探してるの?と声をかけてくれたり、対応がすごくよかったです。一番下の子の年齢が2歳半を過ぎていて「作品を触っちゃだめだよ」といえばわかる年になっていたのも大きいかもしれません。アメリカだしオッケーかなーと思って、2歳くらいで美術館に連れて行ったときは、ベビーカーから飛び出てすぐ作品を触ろうとするし、そうなると警備員さんが子供に向かって走ってきたり注意されたりして、本当に連れて行ったことを後悔しました。アメリカとはいえ、小さい子供を連れて行くときは、ベビーカーに座っている小さい間か、2歳半以上でベビーカーなくても行ける年齢になってからのほうがいいなと感じました。