【アメリカの教育制度とミシガンの公立現地校】日本の小学校との違い18個

本記事では、 アメリカの教育制度と、アメリカ(ミシガン)で体験した娘の小学校(現地校)で、日本と違って驚いたことを紹介します。娘がアメリカの キンダーkindergarden(5歳)から2年生grade2(7歳)の1学期まで現地校(公立の小学校・エレメンタリースクール)に通っていたころの話です。コロナが流行る前ですので、現在は制限があることもたくさんあるかと思いますが!

【アメリカ・ミシガン】の教育制度について

アメリカの教育制度

アメリカでは、全米統一の教育制度がありません!なので、公立学校の運営は、州と各地方自治体に委ねられています。なので、学校区や学校により、学校制度や教科目が異なります。

 
Nokko
アメリカでは、同じ公立でも州や自治体によって、教育内容も異なるし、夏休みの時期も異なるし、大体全国一緒でしょう、という日本とは違うことだらけです!

ミシガン州の学校制度

教育費の約半分は学校区内の住民の税金で賄われているため、学校区内の住民の子供はキンダー(5・6歳)から12年生(16歳)まで無料です。学年は、通常は誕生日によって決められますが、学年を決めるにあたり、生徒の学力や社会的成熟度が考慮され、保護者が校長やカウンセラーに相談して、学年を上げたり下げたりの融通が利きます。

 
Nokko
海外赴任中の日本人でも、自分の子供の学年を上げてほしいとお願いしてあげてもらった人が私の周りにも何人かいたので驚きました。逆にキンダーから1年生に上がるときに、もう1年キンダーやったほうが良いよと学校から言われる子もいるらしく、娘のクラスメイトだった子で、1年生に上がらず2年間キンダーに通っている子もいました。

ミシガン州アナーバーの我が家の場合。娘が通った小学校

アメリカ赴任中、うちの娘はキンダーkindergarden(5歳)から2年生grade2(7歳)の1学期まで公立のエレメンタリースクール(小学校)に通っていました。私たちが住んでいたのはミシガン州のアナーバーという12万人ほどのちいさな市ですが、ミシガン大学というアメリカでもトップテンに入る優秀な大学を有しているため、大学関係者がかなり多く住んでいます。世界各国から大学にやってくるのでいろんな人種の人が集まっていて多様性に富み、治安も良い方と言われていましたが、その分家賃が高いと言われていました。そんなアナーバー市、公立のレベルが比較的高いらしく、どの学校にもだいたいESL(英語を母国語としない人々に英語を教えて英語社会への適応を促進するプログラム)がありました。
ですが、私の住んでいた家の学校区の公立の学校は、娘が入る5年前までは市内でかなりレベルが低く、定員の半分くらいしか集まらないような(学校区内に住む人のなかでも、ちょっとお金がある、もしくは手間が掛けられる親は、私立の学校や、空きのある学校に越境通学させたりする)学校でした。あまりに荒れてしまい人が集まらないため廃校が決まりそうだったところを、トヨタなどの企業による寄付で、5年前に【STEAM科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、アート(Art)、数学(Mathematics) に力を入れた新しいスタイルの学校として生まれ変わったとのこと。 そこからちょうど5年ほど経ち、市内では中くらいの学力レベルにまで上がってきたところでした。(アメリカ(ミシガンだけ?)の場合、毎年学校全体の学力テストがあるので、学校の学力ランクがネットで見れるのです) 家を借りるときに、学校のランクなども考えながら借りるのですが、うちの旦那さんはその学校のスタイルに魅かれ、そのエリアに決めたのでした。

 
Nokko
とはいえ、小学校2年生の1学期で海外赴任が終わってしまったし、他の学校と比べたことがないので、STEAM教育がどれを指すのかは分かりませんでした。
毎日ipadを使っての学習時間があったこと、週に一回ノートパソコンを使っての授業、コーディングというプログラミングのような授業があったこと(scrachも触っていました)、年に一度、エクスポと呼ばれる発表の場があったことなどがSTEAM教育と呼ばれるものだったのかなと思います。
日本で英語をやってこなかったうちの娘には、なによりESLプログラムが素晴らしかったです。先生との相性も大きいと思いますが、発音から基本的な文法などから、生活に必要な英語をしっかり学んできました。個人的には、海外赴任帯同の子女については、ESLプログラムが充実しているところが一番ではないかと思います。
 

【アメリカ・ミシガン(アナーバー)】小学校(エレメンタリースクール)、日本と違うと思ったことあれこれ

すでに日本に帰ってきてから書いているので、アメリカ時代の学校行事・イベントを思い出しながら書いております。

1、アメリカの場合、小学校が義務教育ではないので、役所から小学校の何かが届くなんてことはありません。全部自分で、小学校のホームページを見たり、入学手続きをしたり、スクールバスを申し込んだり、書類を提出したりしないといけない。

2、入学式がない。卒業式はしっかりやる。

3、小学校の学校区が広いので、徒歩圏の近い子以外はスクールバスで通う。学校区内を走るバスルートがいくつかあり、自分の家が割り当てられているバスルートのバス停で乗る。

4、アメリカでは小学校のイベントは夫婦で参加する人が多い。なので、夫婦で行く方がベターかも。もちろん、説明は英語になるので、一人より二人!少しでも補い合ったほうが良いと思います。

5、学校のイベントでも、カジュアルな服で来る親が多い。一部に日本くらいきちんとした服で来る人もいるが、ひざ上スカートや、パーカにスパッツといったカジュアルな人も多い。

6、アメリカの公立の学校のイベント・スクール用品等は、寄付・親のボランティアで成り立っている。スクール用品から行事・イベント・遠足まで。寄付かボランティアで成り立っていると言える。

7、寄付金を集めるために工夫している。寄付の金額をクラスで競うレースが行われたり、寄付の金額が多かった人に、学校からプレゼントがあったりする。

8、学校の先生の給料が低いらしく、先生へのプレゼントや寄付も普通に行われています!休み前や学期末、先生へ感謝する日などにプレゼントすることが多いです。スクールペアレントから、みんなで20ドルずつ出し合って先生にカードを渡しましょう、なんていうメールが来ることもあれば、一番驚いた年には先生からアマゾンの欲しいものリストが送られてきました。その中には20ドルのアマゾンカードとか、○○のスーパーによく行くのでそのスーパーで使えるギフトカードとかが欲しいと書いてありました。ここまで堂々としていると、プレゼントするのが普通なのかなと思います。日本では公務員である先生に賄賂渡すなんて!という感じかと思いますが、アメリカでは全然違うみたいです。

9、学校の先生がバイトしている。(副業可能)長期休みになるとバイトが始まる人が多いらしい。

10、アタマジラミ(Lice)が流行る。これには本当にびっくりしました!いつの時代の話かと。ミシガンなんて、寒いエリアでも流行ります。年に数回、通達がありました。何年生のクラスでアタマジラミが発見されたので、自分の子供の頭を確かめてください、といったようなメールが来ます。ヘッドフォンやマフラー、帽子など頭に接着するものは共有しない、頭をくっつけないなどの対策を取ります。もし自分の子供からアタマジラミを見つけたら、Lice用のシャンプーとクシを使います。(薬局に売っているのですが、流行ると一気に売り切れます)

11、教室がポップで楽しそう。いろんなタイプの椅子が選べる。娘の学校には、ボールの椅子、くつろげるタイプのソファーみたいな椅子、下だけ半球型になっていて不安定な椅子などがクラスにありました。

12、授業や宿題でipadやパソコンを使う。これは近いうちに日本でも使うことになりそうですが。

13、宿題が先生によって全然ちがう。娘の場合、キンダー(年長)のときはすごくたくさんの宿題が出て、毎日大変だったのですが、1年生、2年生は全く宿題がなく、本を15分読みましょう程度のものだった。

14、校長先生が変わると授業内容が変わったりする。校長先生が変わって、スペイン語の授業の時間がなくなりました。校長は2人とも女の人でした。副校長も女の人でした。

15、1年生からLGBTQについての授業があった。(男の子が男の子を好きになる話をされたらしい)この授業をする日は保護者には先に通達があり、宗教や親の出身地等によっては、この日は学校を欠席する子供もいました。

16、算数に関しては、日本人はアメリカの人よりなぜか得意。(押しなべてアメリカ人が苦手なのか?)学校のランクでアジア人比率が高い学校は学力も高かったので、アジア人が算数が得意なのかもしれない。

18、パーティ、イベントがたくさんある。学校が終わって、一度帰ってから夜にイベントがあることがある。
小学校の学校行事については、↓ここで別記事にも書いていますので、よろしければご参照ください。

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などなど!また思い出したら書き足したいと思います。

この記事を書いておこうと思ったのは、↓こちらの本を読んでいろいろ思い出したからです。 2019年ノンフィクション本大賞に選ばれているからか、本屋さんでもよく見かけて気になっていた本で、やっと読めたのでした。

海外(イギリス)の郊外の学校の様子が分かる、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

こちらの本は、著者の息子さんが主人公のエッセイ本です。イギリス・ブライトン市の学校ランキング上位校である公立カトリック小学校を卒業した息子さん。そのままカトリックの中学校には進まず、元最下位の底辺中学校だけどまさに今ランキングを上げつつあるという中学校に進学し、人種差別や貧困、ドラッグ、LGBTQなどの問題に日々ぶち当たっていくという内容です。
私は海外赴任から帰ってきてから日本でこの本を読みましたが、アメリカ赴任時の子供の学校生活を思い出しました。そして、この本では、イギリスの場合の学校生活の雰囲気を感じられたり、イギリスとアメリカ(ミシガン)の場合と(もちろん日本とも)比較したりできて楽しめました。私的には、日本とアメリカよりは、イギリスとアメリカって似てるところが多いのかと思っていたのですが、全然違うのねという印象。(私が住んでいたところが多人種が住むエリアだったからかもしれませんが。)
また、この息子さんがとても思慮深く、他の人の気持ちを思いやることが出来る息子さんで本当に素敵な子なのです。 後ろでどーしようもないことで兄弟げんかしている我が子供たちを尻目に、こんな息子にどうやったら育つのかとうらやましく、親子のやり取りも参考になりそう~と読んでいました。
この本の舞台はイギリスですが、海外赴任時に学校に通う年齢の子供がいる人には興味深く、参考になることも多いと思います!

 
Nokko
たまたまですがアメリカ時代、うちの娘が通っていた学校も、娘が入る5年前までは市内でかなりレベルが低く、まさに、改革の途中でレベルがちょっと上がってきたという学校でした。我が家はこの改革方針を気に入ってここに決めたのですが、家の前のおばあちゃんが、娘がその学校に行っていると知るや、どうしてあんなとこ通わせるの!?と心配されるような学校でしたので、この著者には親近感が湧きました。