アメリカ生まれの次男。2歳半までアメリカで過ごし、その後日本に帰国しました。アメリカ滞在中は家ではすべて日本語とはいえ、外に出れば英語環境。バイリンガルっちゃバイリンガル?なのでちょっと言葉が遅いのかな、くらいに思っていました。そして迎えた2歳児(24month)検診。そこでお医者さんから発達(特に言語分野)の遅れを指摘されました。本記事が、同じようにアメリカの2歳児検診で発達の遅れを指摘された方の参考になればと思います。私の場合は、そこから専門機関(ミシガン州では、early on という名前で、early interventionと呼ばれる活動です)の診断を受け、アメリカでスピーキングセラピーを3か月受けたのち、日本に帰国したので耳の検査を受けました。(←いまここ)
アメリカの2歳児検診で、言語・言葉の発達の遅れを指摘される
アメリカでも日本と同じように〇〇か月検診がありました。(日本のような集団検診ではなくて個別です)そして、アメリカ生まれの次男が、2歳になる前後に2歳児(24month)検診の紙が家に届き、それに記入して病院に受けに行きました。そして、検診後に発達の遅れ(特に言語・言葉)が見られるので、州が運営する発達に関する専門機関early onに紹介できますがどうしますか?と言われました。
発達に関する専門機関の評価を受ける
紹介してもらった専門機関の人に連絡を取り、発達の遅れの度合いを測るようなevaluation:評価(テストのようなもの)を受けることになりました。私が住んでいたミシガン州は、そのテストを受けるのに機関の人が自分の家にまで来てくれて、さらに通訳さんまで付けてくれました。最初に、自閉症の検査も同時にするけれど大丈夫ですか?と聞かれました。そこで1時間半くらい、例えばつま先立ちや積み木など、あれしてこれしてと2歳児の息子に指示して、どのくらい何ができるかを見ました。その場で結果をパソコンに打ち込んで、最後に評価をくれました。そこで言われたのが、運動の分野は問題なさそう、自閉症でもなさそう、言葉の分野だけ、1年~1年半ほど遅れている。という事実で、2歳児でこの発達レベルの遅れの場合はけっこう重度なので、セラピーを無料で、2週間に一回受けれますよ、ということでした。
スピーキングセラピー開始!学んだこと、聞いたこと
セラピーは毎回1時間ほど。セラピー担当の人が1人~2人と、通訳の方が1人ついて家まで来てくれました。子供には、セラピーの人が英語で言ったあとに、通訳の人が日本語でも聞いてくれました。ただこのセラピーは普段の親(私)と子供の会話やふれあいを見て、気づいたことを親にアドバイスをくれるというもので、子供に直接話し方を教えるものではありませんでした。毎回、次回のときまでに言えるようになる目標を設定し、2週間にはその言葉が出来るようになっているかを見る、という流れでした。
バイリンガル環境は関係ない
そこで私が一番気になっていたのがこれ。うちの子はアメリカで生まれているので、家では日本語だけど外では英語というバイリンガル環境だから、普通の子供より言葉の発達が遅いのではないか、という点。
すると、そのスピーキングセラピーの方は、バイリンガル環境との相関はありませんというではないですか。アメリカは移民の多い国なので、それでいくと、言葉の発達の遅い子がみんな移民の子供になってしまうはず、でもアメリカ人の両親の子供も同じような割合でいます、とのことでした。
スクリーニング検査で引っかかっていたのは関係あるかも
うちのアメリカ生まれの次男は、新生児の日にスクリーニング検査で引っかかり、生後次の日、生まれてから1か月後くらい、半年後と定期的に耳の検査をしていました。結局生後1年くらいで正常の一番下くらいというレベルと診断され、1年に1回の検査でいいとなりました。セラピーの人は、これは言葉の発達と相関があるかもと言っていました。耳の聞こえが小さいときに悪かった分、言葉が出るのが遅かったのかも、ということでした。
男か女かは関係ある(2歳児の段階で引っかかるのは7割が男の子)
バイリンガル環境とは相関がないけど、男女差はあるとのこと。2歳児の段階で発達に引っかかるのは、7割が男の子だそうです。
話す必要がない環境だった(おねえちゃんがいる環境も関係ある)
これは、我が家の状況を見て言われたこと。兄弟にお姉ちゃんがいる場合にも多いそうですが、子供が伝えたいと思うことを先回りして全部やってくれるので、今まで話す必要がなく、話そうという意識が足りない場合は言葉が遅いとのこと。
10~18回のモデリングが大事。
遊びや日常生活の中で、覚えさせたい言葉をとにかく繰り返す(定着には10~18回)ことが大事とのことでした。
何か言うまで3回~5回は同じことを聞く
たとえば「牛乳ちょうだい」だったら、それまでの次男の場合は、牛乳や冷蔵庫を指さして、ン!とか言えば、私やお姉ちゃんが牛乳を出してくれる状態だったので、その時に「牛乳ちょうだい」と言わせるように促す。「牛乳ちょうだいは?」とか、「なんていうの?」とか。それを多くても5回まで。それ以上やると嫌になっちゃうそうです。とにかく、何か話さないと貰えない、ということを覚えさせることが重要だそうです。
とにかく忍耐強く
とはいえ、普段から小さい子供がいるとばたばたの生活です。そこで、セラピー中毎回のように言われたのは、とにかく辛抱強く聞き続けろってことでした。
アメリカでのスピーキングセラピー終了
結局うちの次男は2歳3か月から2歳半までの3か月間、2週間に1回のセラピーを受け、我が家の本帰国のため終了となりました。一番勉強になった点は、私自身が子供への言葉の発達への働きかけが全く足りてなかったということに気が付いたことと、その働きかけの具体的な方法と、また2週間に1回、成果を見せなくてはいけないという点から、課題訓練のモチベーションを保てたことです。
一応、2語文が全くでなかった2歳時点から、数語だけは2語文が出るようになったということで一定の進歩があったと評価され終了しました。
日本に帰国後、耳の検査を受ける
アメリカでは、新生児のスクリーニング検査から1年ほど耳の検査で引っかかっていた次男。帰国後、まずは近所の耳鼻科へ行き耳を診てもらいました。次男が2歳7か月のころです。耳鼻科の先生からには、耳垢が詰まっていてこれでは普通でも聞き取りにくい、とのことで耳垢を取ってもらい、大量に耳垢が取れました!(アメリカの時はこの耳垢を取るということをしてもらえなかったのです。)そして、次男が耳のスクリーニング検査に引っかかり、一年ほど何回か検査を受けたこと、言葉が遅く、アメリカでスピーキングセラピーしてもらっていたこと、今も発音がはっきりしていないことなどを相談しました。一通り耳鼻科で受けられる検査は受け、それについては異常なし。先生は、それ以降の検査は3歳まで待ってもいいのでは、とのことでした。しかし、すぐにでも精密検査を受けておきたいと伝えたら、大学病院への紹介状を書いてくれました。
遊戯聴力検査COR
紹介状をもらって大学病院に行きましたが、初診だったので診察が終わるまで約6時間。子供もぐずるしボロボロでしたが、やってもらった検査が遊戯聴力検査COR.この検査は、アメリカで受けていた検査とよく似ていました。(アメリカよりずっと狭い部屋でしたが)部屋の中でヘッドホンを付けて、左右のヘッドホンから出る音に反応するかどうかを見るもので、音が出た方向を向くと、お人形が動いたり光ったりするという検査。音が出て、ちゃんとそれに反応するかを見る検査です。これによると、結果は両耳で20~30デシベルくらいと、普通なら問題ないと言われる数値だと言われました。ただ、次男が生まれたときにスクリーニング検査に引っかかっている点、また従妹に難聴傾向の子供がいるということから、ABR検査も受けましょうということになりました。
小児ABR(聴性脳幹反応検査)+ASSR(聴性定常反応検査)
乳幼児等、一般的な聴力検査ができない人に他覚的に聴力を評価するための検査で、検査のために鎮静剤(眠る薬)を飲んで寝かせて行いました。子供が飲んだのはシロップ状の薬。すごくまずそうで、かなりの量を口から吐き出していましたがそれでも30分後には爆睡。無事に検査できました。(ちゃんと寝ないと、次は座薬による薬の注入になる、もしくは再検査と言われました)寝て60分後には検査も終了。結果はこちらも両耳とも問題なし!つまり、言葉が遅いのは、聴力の問題ではないということが判明しました。(それもどうなのよ、って話ですが)そして次は8か月後に検査することになりました。それは、日本では新生児の時にスクリーニング検査に引っかかった子供はそのようなフォローアップとなるそうで。そして、5歳から7歳で両耳とも標準の範囲に入れば、その後の検査の必要はなくなるそうです。